2011年11月4日金曜日

ゲームをしている時はなぜ時間が経つのを忘れてしまう?

 これは私もゲームを良くしているので分かります。「夜までちょっとやるかー」→「もうちょっとだけ・・・」→「きりのよい所まで」→チュン…チュン...「あれ、外が明るい・・・」なんていうこともしばしば。楽しいことはあっという間に時間が経ったように感じますし、逆に単純な作業やつまらないことは時間が長く感じてしまいますからね。


ゲームをしていると、なぜ時がたつのを忘れてしまうのか? 心理学者がその問いに答えようとしている。

メンタルヘルスの情報サイト“PsychCentral”によると、オンラインゲームのネット掲示板で募った154人のチェコ人(男性141人、女性13人)を対象に、ゲームのプレイ時間と、「時間的展望(タイム・パースペクティブ)」と呼ばれるものの相関性を計る調査が行われた。その結果、ゲーム好きな人は、現在を重んじる傾向が強いことがわかったという。

「時間的展望」とは3年前に提唱された概念で、私たちの意識における、過去・現在・未来への志向の強さを表している。過去の経験や現在の刺激、そして、未来に予期される出来事に対する注意の向け方は、人によって偏りがあるらしい。

しかも、過去志向と現在志向はそれぞれ、「過去肯定型(過去を肯定する)」と「過去否定型(過去を否定する)」、「現在快楽型(今を楽しむことを大切にする)」と「現在運命論型(自分にもたらされる出来事は運命によるものだと考える)」に分けられる。これらと「未来志向型」を合わせた5つの志向が、人格を左右する要因になっているようだ。

研究者が集計したデータを解析したところ、長時間プレイと現在志向には強い相関性が認められた。またその逆に、未来志向との相関性は低かったという。未来志向型の人は、将来のことを考えると時間がもったいなくて長時間プレイをしない、ということか。

しかし、本当に面白いのはここから。一見、ゲーム好きな人は「現在快楽型」のようだが、実は「現在運命論型」の傾向が強いのだという。対して、薬物中毒やギャンブル中毒に悩まされる人は「現在快楽型」の傾向が強いのだから、大きな違いだ。

「現在運命論型」の人は、不満・攻撃性・抑鬱といった否定的な感情に悩まされがち。ゲームを長時間遊んだためにそうなったのかもしれないが、逆に、もともとその傾向が強い人が、ゲームを長時間プレイすることで否定的な感情を軽減できていると考えることもできる。つまり、ゲームは薬物やギャンブルと違って一時的にハイになるための手段ではなく、小説や映画と同様に、現実逃避の手段になっていることが示唆されているわけだ。

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